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「夢見草」…紙の本を手に取り、表紙をめくって、意味もないのに音をたててページをペラペラとめくる。なんだか気持ちが落ち着かないとき、書かれていることを読むのではなく、ただ単に紙の香りを感じ、紙質を感じ、ページをめくる音を聞き、五感をフルで使って楽しんでいると、緻密に並んだインク文字のなかから、ふと飛び込んでくる言葉がある。
その出会いが「夢見草」はて、夢見草(ゆめみぐさ)? と辞書で引いてみたところ、「桜の別称」とあった。桜の花が美しくも儚いことから付けられた異名なんだろうなぁと、花びらが春の風に誘われひらひらと舞う光景に思いを馳せて、ふと思う。
ひと昔前は入学式に桜が咲いていたのに、このところ入学式には葉桜になっている。桜の開花はどこまで早くなるのだろうと、次々と興味が広がっていった。
東京の平均気温の変動を調べてみると、結果に納得。東京における冬の平均気温は、ここ100年のうちに約3.1度も上昇。加えて、冬日(1日の最低気温が0度未満)の日数は、100年前の約3分の1以下程度にまで減少している。
なるほど、それでは桜の開花も早まるはずだ。春には桜、秋には紅葉、日本の四季にも影響を与える気候の変化。では、気候変動がワイン造りに与える影響はどうなっているのだろう。