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【今回のワイナリーは…】
マルク テンペ / Marc Tempé
【生産者は、こちらの方…】
マルク テンペ / Marc Tempé
アルザス訪問の旅で、マルク テンペさんに初めて連れて行ってもらったのは、シゴルスハイムの村を見下ろす展望台で、その丘の斜面は特級畑のマンブールが広がっていた。
その眺めが、私にとって、アルザスらしい最初の風景だった。
いくえにも連なる小さな丘にどこまでも続くブドウ畑、その間に小さな村が点在している。
緑の布を広げた真ん中に立っているみたいで、眼下に広がるブドウ畑は目に痛いほどの緑だった。
足元や空気から伝わってくるのは、みなぎる自然の息吹、その力に圧倒されて、身体中の毛穴という毛穴が開いたような感覚に襲われた。
そして、私は、空を見上げた。
高く広い空に深呼吸をして、やっとアルザスの匂いを感じた。
普段の東京の生活では、どこを探しても覚えのない、生きた土の香りだった。
かれこれ10年以上も前のことだけれど。
以来、私は何度、アルザスを訪ねただろう。